コラム
通信制高校とは?全日制・定時制高校との違い、学費など解説

近年生徒が増えている通信制高校。進学先として検討していても「興味はあるけれど、どんなところかはわからない……」という人も多いかもしれません。
今回のコラムでは、「通信制高校はどんなところか」について、基本的なところから簡単にわかりやすくご紹介します。
目次
通信制高校とは?
全日制高校や定時制高校、そして通信制高校。どこを卒業しても「高校卒業」という学歴は変わりません。しかしシステムは大きく異なります。例えば全日制高校では、「毎日通う」「3学年に分かれている」といった形が当たり前ですが、通信制高校では一般的ではありません。
通信制高校の大きな特徴の一つは、自分に合った登校頻度のコースを選べること。またもう一つの大きな特徴は、毎年進級する「学年制」ではなく「単位制」であることです。
通信制高校と全日制・定時制高校の違い
通信制高校と全日制・定時制高校の違いを、さらに詳しく見ていきましょう。「授業内容」「登校頻度」「在学期間」「学費」の4つに分けてご紹介します。
授業内容
全日制高校や定時制高校と異なり、通信制高校は「授業中心」とは言いきれません。対面形式の授業は「スクーリング」と呼ばれ、こちらはコースなどによってスタイルが異なります。このスクーリングと並行して、自習やレポート作成を進めていきます。
登校頻度
全日制高校や定時制高校では、あらかたの時間割が学校側で決められています。平日の日中に通う全日制であれば1日5時間~8時間ほど。「午前の部」「午後の部」「夜間の部」のコースに分かれる定時制であれば、1日4時間ほどです。
その一方で、通信制高校では「週何日登校するか」をコースで決めることができます。登校しない日は自習やレポート作成の形で学習を進めます。中には、普段は自習やレポート作成をメインとして、「集中型」「合宿型」といった短期集中で登校するコースもあります。
在学期間
通信制高校の在学期間は、「3年以上」です。3年間が基本の「学年制」とは異なり、「単位制」といって、規定の単位を修得すれば卒業することができます。ただし3年以上という規定は変わらないため、「3年未満でも単位を全て修得すれば卒業できる」というわけではありません。
学費
通信制高校にも公立と私立があり、どちらを選ぶかで学費は変わります。やはり公立高校の方が低く、年間4~6万円ほどで通えます。私立は年間25万円ほどと高く感じるかもしれません。ですが自宅学習の多い学校やコースを選べば、少し抑えられるでしょう。国からの就学支援金制度を活用すれば、負担をもう少し減らすことができます。
通信制高校の入学・卒業時期
多くの通信制高校では二学期制を導入しています。二学期制とは、一年を前半と後半に分けて学期を設け、学期ごとで単位を修得できるシステムです。そのため、入学と卒業のタイミングも年に2回あり、入学式は4月と10月に、卒業式は3月と9月に設けられています。
入学者は基本的にこのタイミングに合わせて募集されますが、学校によっては随時迎え入れているところもあります。他の高校からの「転入」については、全日制と同じように随時募集しています。ただし、別の高校を一度退学してから入る「編入」の場合、入学と同じタイミングとしている学校が多そうです。
なお学年制ではなく単位制のため、留年という考え方もありません。3年以上の在籍期間は必要ですが、あとは規定の単位数を取れば卒業することができます。
通信制高校にはどんな人が通っている?
通信制高校には、さまざまな目的や理由で通っている人がいます。例えば、社会人として仕事しながら勉強している人、スポーツや芸能など学業以外のことと両立しながら通う人。また、体調を崩しやすいため毎日決まった時間ではなく柔軟に授業に出たいと考える人、一度学校を退学した後に改めて高校卒業に向けて取り組んでいる人などもいます。
そのため、全日制高校には15~18歳が通っているのが一般的なイメージですが、それ以上の年齢の人が生徒として在籍していることは決して珍しくありません。スクーリングや行事などでは、自分と同じ境遇の人や、自分が経験していないさまざまな環境で過ごしてきた人と、友達になれるのではないでしょうか。
通信制高校ではどんなことをする?
通信制高校での学習の特徴は大きく3つあります。自宅学習をしながら「レポート」を提出すること、また「スクーリング」に出席すること、そして「テスト」を受けることです。毎日通学する必要がないからこそ、この3つが大切な要素なのです。
レポート
レポートとは、「学習した内容をどれくらい理解できているか」を定期的にチェックするためのものです。「大学のレポートのような長い文章を書くのかな……」と不安な人もいるかもしれませんが、そういったものとは異なります。穴埋め形式などで問題に回答していくようなイメージです。郵送などで学校へ送り、先生が添削した上で返してくれます。
スクーリング
今まで紹介してきたように、スクーリングとは、実際に登校して、先生から直接授業を受けることです。普段の自宅学習とレポートを通してわからなかったことがあれば教えてもらえます。スクーリングの頻度・時期・時間帯などは学校やコースによってさまざまです。
テスト
テストとは、自宅学習やスクーリング、レポートを通しての理解度を最終確認するものです。一般的な中学や全日制高校で行われる定期テストと同じようなものと捉えて良いでしょう。「単位認定試験」とも呼ばれ、こちらに合格することで各単位を修得できます。
通信制高校の卒業条件
通信制高校を卒業するには、3つの条件があります。1つは「3年以上在籍すること」、2つ目は「必修科目を含めた74単位を修得すること」、そして3つ目はホームルームや運動会といった「特別活動で30単位以上修得すること」です。
2つ目の74単位の修得については、さきほど紹介した「レポート」「スクーリング」「テスト」が重要なカギを握っています。一定以上のレポート提出やスクーリング出席をして、テストで合格することで、一つひとつの単位を得ることができます。
「大変だな……」と思うかもしれませんが、安心してください。レポートは日々の理解度を自分でチェックできるものですし、先生は添削もしてくれます。そしてスクーリングではわからないことなどを先生へ直接聞くことができます。そうしてコツコツと学習を進めていけば、テストの合格点にたどり着くでしょう。
<h2>通信制高校の卒業を目指す際に知っておくべきこと</h2>
「通信制高校を無事に卒業したい」「卒業後の将来に向けてより専門的に学びたい」といった人には、「サポート校」や「技能連携校」の活用がおすすめです。
<h3>サポート校</h3>
通信制高校を探していると、「サポート校」と呼ばれる学校も見つかるかもしれません。サポート校とは、通信制高校の生徒が卒業できるように学習支援を行う施設です。
しかし注意しなければならないのは、「サポート校にだけ通学しても、高校卒業資格は取得できない」ということです。サポート校は、文部科学省による学校教育法で、高校と認められていないためです。「あくまで通信制高校と一緒に利用する場所」というイメージを持って利用しましょう。学習面はもちろん、進路の悩みやメンタル面なども相談に乗ってくれるところが多く、年々利用者は増えています。
<h3>技能連携校</h3>
「将来やりたいことがあるから、高校のうちから専門技術を学びたい」という人は、通信制高校とともに技能連携校を活用してみましょう。
技能連携校とは、専門学校の他、大手メーカーなども専門技術を伝えようと運営している学校です。ここで、将来役立つ実践的な技術を教えてもらえます。
「通信制高校と両方で学ぶのは大変そう……」と思うかもしれませんが、大丈夫です。実は「技能連携制度」というものがあり、技能連携校で修得した単位(最大半分)は、通信制高校の単位として認められるのです。将来に向けて最短距離で学びたいという人にはおすすめです。
<h2>通信制高校なら、開志創造高等学校</h2>
開志創造高校は、4つの大学、34つの専門学校、2つの高校のノウハウと約50年の教育実績をベースにした広域通信制高校です。
教育理念「開志・自律・創造」のもと、自ら問題を発見・解決し、新たな視点・価値を創造できる人材の育成を目指し、職業探求専攻、高校・大学連携専攻、アニメ・マンガ専攻、eスポーツ専攻、アスリート専攻など、8つの専攻を展開しております。
また、高校生活に関する相談はスクールカウンセラーが、学び・進路に関する相談は担任、職員しっかりとサポートする体制により、進路未決定率0%を実現します。
<h2>まとめ</h2>
ここまで、通信制高校とはどんなところかを解説してきました。全日制高校と比べたときに大きな特徴があるのはもちろんですが、同じ通信制高校でも、用意しているコースや学費などは異なります。
そのため、まずは自分が高校生活で大切にしたいことを明確にすることがおすすめです。そうすればそれぞれの高校を比べたときに「何がメリットで何がデメリットか」がわかりやすくなるでしょう。