コラム
転入と編入の違いとは?入学時期・単位の違いを解説

「今の高校から、通信制高校へ移りたい」と考えたとき、まず検討すべきは、「転入するか編入するか」です。
通信制高校を調べていると、「転入と編入って何が違うのかな?」と思うかもしれません。こちらは似た言葉ですが、まったく違います。そして、自分の状況によってどちらを選ぶべきかも変わります。
今回のコラムでは「転入」と「編入」それぞれについて説明し、選び方や注意ポイントなどもお伝えします。
目次
転入・編入とは?
編入・転入とは、平たく言えば「学校を変えること」です。どちらも学校を変えるという点では同じなのですが、該当する人や手続き方法が異なります。
転入とは
転入は、いわゆる「転校」のことです。在籍している学校を通じて手続きを行い、新しい学校へ移ります。退学せずに移ることができるため、空白期間は発生しません。
編入とは
編入は「編入学」とも言います。通っていた学校を一度退学し、他の学校へ再度入学することを指します。一度学校を辞めてから他の学校へ入るため、多少の空白期間(学校に在籍しない期間)ができます。履歴書を書く場合も、前の高校を中退したことを書く必要があるでしょう。
編入と転入の違い
転入と編入の大きな違いが分かったところで、細かな特徴を見ていきましょう。こちらを見れば、転入後と編入後、それぞれの高校生活がイメージできるかもしれません。
入学時期の違い
転入と編入では、入る学校の制度によって、時期が異なる場合があります。
まず転入については、多くの学校が随時受け入れています。したがって転入のほうがスムーズに学校を移ることができるでしょう。ただし中には、毎月の転入日を決めている学校もあるため、事前にきちんと確認しましょう。
一方、編入については、随時迎えている学校と、時期を決めている学校があります。時期を決めている学校は、一般的には4月と10月に編入を受け入れています。このように時期が決まっている学校の場合、退学から編入までの期間がさらに空く可能性があることは覚えておきましょう。
単位の引継ぎの違い
高校卒業の条件の一つは、「74単位以上を修得すること」です。結論から言えば、転入でも編入でも、前の学校で修得した単位を引き継ぐことができます。ただし、全ての単位が引き継がれるわけではないため、事前に学校へ確認しましょう。
またここで注意したいのは、「転入・編入する時期によって引き継げる単位が変わる」ということ。その理由は、全日制高校でよく採用されている「学年制」という制度にあります。学年制の高校では、年度末(3月末)に単位を修得することができます。つまり学年の途中で転入・編入した場合、その学年で修得した単位は一つもないため、その学年での授業出席状況やテスト結果などはリセットされてしまいます。「前の高校での努力が水の泡だ……」と後悔しそうな人は、年度が切り替わるタイミングで転入・編入するのがおすすめです。
卒業時期の違い
高校卒業のもう一つの条件に、「高校に3年以上在籍していること」があります。転入・編入どちらにおいても、前にいた高校の在籍期間も合算できるのは嬉しいポイントです。
ただし、転入・編入それぞれに注意点があります。
まずは、転入。基本的には転入前の高校の在学期間は引き継がれますが、休学していた場合、休学の期間は在学期間にカウントされません。次に、編入の場合。編入するということは、多少の空白期間(高校に在籍していない期間)が生まれ、在学期間のカウントにズレが生じます。
例えば2年生の2月に退学し、2ヶ月後の4月に他の学校へ編入した場合、2ヶ月のブランクがあります。そのため、編入先の高校で単位を全て修得して3月末を迎えても、3年間の在籍まで2ヶ月足りず、卒業することはできません。また、その後2ヶ月在籍しても、卒業時期を3月や9月に設ける学校が多いため、その時期まで待たなければ卒業できないのです。
この状況は、大学などへの進学にも影響が出ます。また「同級生と同じタイミングで卒業したい」などと考える人も焦ってしまうかもしれません。よりスムーズに卒業したい人は、やはり学校を辞めずに転入するのが良さそうです。
学費の違い
転入か編入かといった面では、費用に違いはありません。ただし、転入・編入の時期や修得する単位数で学費は変わってきます。
単位制の高校へ転入・編入する場合は、学年では区切られず、合計74単位を修得すれば卒業できます。ただし履修登録する単位ごとに授業料が発生するため、卒業までに残っている単位の数だけ費用が高くなると考えて良いでしょう。また、学校内の施設利用費・諸経費は在学期間に応じて発生します。そのため卒業まで時間がかかる場合は、それだけ費用がかさんでしまいます。
「費用を最小限に抑えたい」という人は、やはり退学からの編入は避け、年度が切り替わるタイミングで転入するのがおすすめです。
転入・編入の手順
まずは志望する通信制高校の転入・編入可能な時期をチェックします。そして、期限に余裕を持って必要書類を提出しましょう。
なお通信制高校の多くは、転入の場合でも編入の場合でも、入学試験では学力検査を行いません。基本的には書類審査がメインで、学校によってはそれにプラスして作文や面接を実施する程度です。その後合格通知を受け取ったら、手続きに移ります。
必要書類
通信制高校への転入・編入手続きで提出する書類の例をご紹介します。基本的には、転入でも編入でも必要な書類は共通していますが、転入の場合は転学照会書なども必要となります。また作文があるなど、試験の内容によっても提出物は増えます。
転入で必要 | 編入で必要 |
入学願書 | |
調査書(転入・編入前の在籍高校が発行) | |
教育課程表(転入・編入前の在籍高校が発行) | |
成績・単位修得証明書(転入・編入前の在籍高校が発行) | |
在籍証明書(転入・編入前の在籍高校が発行) | |
転学照会書(転入前の在籍高校が発行) | |
証明写真 | |
受験料の振込証明書 | |
健康診断書(学校による) | |
作文/志望理由書(学校による) |
こちらはあくまでも例ですので、イメージとして留めておいてください。高校によって異なるため、希望する通信制高校が見つかり次第、早めに手続き方法や必要書類をきちんと調べましょう。
なお必要書類は、提出期限から2~3週間ほど余裕を持って準備しましょう。転入・編入前の高校に発行を依頼するものも多いのが分かります。こういった書類は発行に時間がかかることもあるため、早めに手を打っておくことが大切です。
編入と転入、どちらを選ぶ?
次の学校へ入るまでの空白期間や、費用面、単位の修得、また卒業までの期間を考えると、以前の学校を辞めずに転入するほうがスムーズに進むことが多そうです。
しかしもちろん、さまざまな事情で「退学しなければならなかった」「退学を選ぶべき状況だった」ということもあります。そのため「編入しないほうが良い」と一概には言えません。どちらにしても通信制高校では卒業までしっかりとフォローしてくれるので安心です。
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まとめ
通信制高校に入る場合の転入・編入についてご紹介しました。似たような言葉ですが、自分の状況によってどちらを選ぶべきかが決まります。また気をつけるポイントも異なります。
「今の高校はつらい……。違う場所でなら頑張れるかな」「退学したけれど、もう一度チャレンジしたい」そう考えはじめたら、ぜひ参考にしてみてください。